■ヴァン・ヘルシング
ヴァンパイアを始めとする伝説のモンスター達VS黒コート二丁拳銃のハンターっていうコンセプトは相当悪くないんですが、両方やりたがってしまった分、ヴァンパイア映画としてもボンクラ映画としても中途半端かなー、という感は否めませんね。
馬鹿武器がもっと前面に出てきてくれるとそれだけで萌え燃えなんですけどねえw 矢どころか銀の杭や十字架を無数に乱射する超ゴツいボウガンとか、コンクリも切れるくらいの超高水圧の聖水発射ガンとかw(ブラック・ロッド的だな)

どうしても、ボンクラハンターものとしては、オーソドックスなヴァンパイア面を無視して燃えだけに徹した「BLADE」があり、正統派ヴァンパイアものとしてはそれこそ名作が山ほど、特に個人的には「インタビュー」とゲイリー・オールドマンの「ドラキュラ」の印象が強いんで、それらと比べちゃうんですよね。 (良く言えば)インスパイアされたと思しきシーンや設定も多かったですし。
村に来たよそ者の身長と肩幅測って、棺桶の準備をしてやる、みたいに言うのってコブラネタかなぁw

まぁそういう意味で、何番煎じかではあるけれど、何度でもこういうVFXなモンスターものをシュミとして楽しみたいなー、っていうんならアリです。
やっぱり最近の技術は凄いんで、飛びながらコロコロ変身する女ヴァンパイアとか、ワーウルフとか、それこそ菊地秀行の小説なんか読みながら「現実だったらこんな風かなあ」って思い描いていた映像がきちんと実写化されてるのは見ていて楽しいです。
馬車の馬なんてただの馬の癖に落ちた橋10mくらい飛び越すサイボーグ馬(Dね)状態だしw

それにストーリー構成は別に酷い訳ではなく、途中端々に出てくる謎部分やツッコミ所もできるだけ自然に解消するよう努力されてるし、ご都合展開は鼻につくほど多くも無いし、会話や感情論で冗長な部分も少ない。 佳作シナリオ、といった所でしょうか。

ところでこの映画、なんといっても個人的堪能ポイントは、ドラキュラ伯爵のステキささ!(*´∀`*)
ああ〜、衣装といい髪型といいお顔といい、私の理想のドラキュラ像に限りなく近い〜(≧_≦)9 これで、最初っから変に激昂するところが無ければバッチグーだったのねん。 性格的には「インタビュー」のレスタトがNo.1だなぁ。

あとは、ヒロインのねーちゃんもかなり好み。 あの顔、スタイル、気の強さ、髪の色etc.。 あと何だか無闇に頑丈だしw

ただねー、最後に姉ちゃんが死んじゃうってのはどうかなあ。 あんまり意味が無いって言うか、訴えかけるものが無い。 「は?なんで?何の効果を狙ってのこと?(゚д゚)」とか思っちゃって、最後感情移入できませんでしたね。
セオリーとしては、「人間になりたい。生きたい。仲間が欲しい。」って言ってたフランケンシュタイン・モンスターが、途中主人公達との絆を深めていき、クライマックスでワーウルフから姉ちゃんをかばって「仲間として」死亡、ラストで生き残り3人がその遺体を焼いてると、雲間に彼の魂と、解放された姉ちゃんの先祖達の顔が見えて終了、ってのがキレイなオチだと思うんですけどねえ。

あー、あとすごく不満なのが、12時の鐘が鳴り終わるまでに薬を使わないと主人公はワーウルフから人間に戻れない、なんて状況での戦いなのに、鐘の音がBGMに混じっててよく分からないのって有り得ない。
鐘が1つ鳴るたびに、各キャラのカットインでセリフでもって数を数えてくくらいの演出は欲しいでしょう。 で、10回目くらいでヴァンパイアを倒す、けど姉ちゃんが薬を注射しようとしても暴れちゃって近づけない、姉ちゃん危ない!ってとこで、割って入った心優しきモンスターが食らいつかれてしまう、ああっ!と一瞬動きも音楽も止まったところで12回目の鐘の音が鳴り響き、それと同時にすんでの所で薬注射、っていうんがいいよなぁ。

そういう意味でも、セオリー的なエンタメとしてはイマイチ詰めが甘いんですよね。 うーん、惜しい。 そんな映画です。

ふと思ったんですが、「フランケンシュタインというのは博士の名前だからあのモンスターはフランケンシュタインではない」というのは、子供向け怪物設定知識からちょっと抜け出た(要するにファンタジー系ヲタとしての素質が萌芽し始めた)時期頃の子供がよく主張するところではありますが、考えてみれば、モンスターが博士を「お父さん」と呼んでたってことは、養子と考えればあいつ自身も名字はフランケンシュタインなんだよなあ、なんてw
日本語にしてみると「山田博士の怪物」とか「山田」とか呼ばれてるのと同じな訳ですが( ̄▽ ̄;)
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