■ローラーボール
とある近未来、コース内をローラースケートとバイクで走り回り、2チームで鉄の球を奪い合ってシュートする過激なスポーツ「ローラーボール」が大流行り。
主催者のジャン・レノは各国の炭坑やらを買い取って搾取してる上に、その労働者達の給料をローラーボールの賭けに使わせて更にウハウハ、なんだけど、そのうち視聴率を取る為に試合中の流血事故を仕組むようになり、それに気付いた主人公達は、いったんは逃げ出すんだけど捕まっちゃって、結局はキレて試合中にジャン・レノぶち殺し、労働者達も暴動を起こしてエライコトに、という映画。 昔あった映画のリメイクらしい。

ぶっちゃけ、「なんか銃夢っぽーい。モーターボールじゃん」ってだけで見に行ったんで、内容とか別に大して期待してなかったんですが、なんかねー、確かに大まかな流れや設定は良くある展開?なんだけど、細かいところがすっごく妙! アクション映画とは思えない変わった映画でしたのよ。
物語の語り口として は所々に言葉足らずな部分があって物足りなげなんだけど、カット割りとかカメラアングルとか、リアルなんだけどどこか現実離れした異国感とかがみょーーに奇妙で、試合のシーンも、超高速&スリリングなはずなんだけど、スピード感あるんだかないんだか変〜な感じだし・・ ああ、表現しづらい(^_^;)
言うなれば、初めて食べる外国料理みたいな。
料理食べる時って、見た目でまずどんな味か大まかに判断して、それを予想しながら口に入れるでしょ。 それが、日本にある料理ならたとえ外国料理でも日本人向けにアレンジされてることが殆どだから、そんなに大きく予想を裏切られることはないんだけど、たまに本当に本場のまんまの料理を食べると、何度か噛んでるうちに「え?ここでこの味が出てくるの?(゜-゜;)」っていう、決して不味いって訳じゃないけど、意表をつかれることってありません? そんなカンジなんですよ。 日本の料理でこの見た目でこの材料だったら、絶対ここでこの味は出ないよなー、っていう。 メキシコ料理のサラダ食べた時とかがそんなカンジだったな〜。

監督、これアメリカ人なのかなぁ? アメリカ映画って事になってるけど、んー、この奇妙な感じはどっちかって言うとイギリス映画っぽい。 といっても、そんな全編ずっと変な訳じゃなくて、ほんのごくたまに変わった手法が挟まるくらいなんですけどね。
予算がないのか、夜の野外のシーンは全部赤外線カメラだったりするし。 とにかくその"変さ"に思わずニヤリとさせられる、そんな感じでコソバ気持ち良い(笑)

あと、ジャン・レノはもう、個性派名優から"怪優"になりつつあるね(^_^;) 「レオン」の時のゲイリー・オールドマン張りのケッタイな悪役演技がまたこの映画の妙さ加減に強烈に味わいを加えていて。 しかしホントに仕事しまくりな人だなぁ。

チョットだけ残念だったのが、出てくる選手がみんなすげー個性的でイカしてるんだけど、映画の時間の中じゃそれが生かしきれてなくて、名前紹介くらいで終っちゃってるところかな。 こういうの、漫画や小説だと良い感じで味が出るんですけどね。 あ、そういう意味で「コブラ」のラグ・ボールも思い出したな。
それと、音楽は最初っから最後までヘヴィメタで統一して良いと思った。 なんかクライマックスあたりで変に情緒的なイメージ音楽みたいになっちゃって。。と思ったら、音楽担当がリュック・ベッソン映画やってる人なんだって。
んー、確かに映画全体としてもリュック・ベッソン的な奇妙さ、、かもしれない。
back>>