■Final Fantasy
世界初?だかなんだかの壮絶なフルCGが話題のこの映画ですが、ストーリーはね、ベッッッッタベタのベタですよ(^_^;) 何処にでもかしこにでも転がっているようなSF。
別にファイナルでもファンタジーでもない し(つかなんでアレがFFなんだ?? シドが出したかっただけか?(笑)) それはまぁ良いんです。 最初ッからストーリーには別に期待してませんでしたから。 それよりも、とにかく「1分250万円」というその血管切れそうなCGを大画面で堪能してみたくてねぇ。

いやー、スゴかったっすよ。 さすがに"カンペキ"という訳には行かないものの、時折CGである事を忘れるくらいのクオリティで。 でもね、初めてこれを見せられたんならビビりますでしょうが、フルではないにしろCGメインというのなら、今まで散々見ちゃってますからね〜、私達。 マトリックスしかり、エイリアンしかり、スターウォーズしかり。。 挙げればキリが無いですが、つまりは今回のFFの見せ所は、今までナマで処理されてた「人間」の描き込みが何処まで凄いか、ってトコですよね。

そう。確かにそれもまた物凄かったんですが、やはり3DCGの課題点である、人間の動作の力学的リアリズムが、あとほんのもう一歩、でしたねぇ。
例えばね、「下ろしていた手を上げて腰に着けた銃を持ち、構える」というシーンがあるんですが、現実ならこれは、まず手を上げる時には初速から次第に速度を増していって、銃で一旦止まり、そこでクッと力を入れて銃を持ってからまた手を上げ、そこでも持ち上げるスピードは加速して、構えた時にはその速度を止めるために今度は逆の力が一旦かかりますよね。 だから最後の構えるときにはちょっと上にあがってから下げて、定位置に落ち着く訳です。
でもCGだと、そういう微妙な「力のかかり具合」が表現されてなくて、すべての動作が等速度で「ふわり」と動いちゃうんですよ。 動作の流れをなぞっただけ、っていう。 それが、重いものを持つ、とか相手を力いっぱい殴る、とかの、いかにも「力がかかっている」っていうシーンならそれなりにちゃんと表現されてるんですが、でも人間って、常に何らかの力を使ってるじゃないですか。 ただ歩く時だって、重力に逆らって足を上げ、それを下ろす時には体重を支えるためにまた脚に力が入る。 頬杖をつくなら、顔の下がる速度と重さを支えるために、触れた瞬間に手にも力が入る。 そういう筋肉の動作がねー、今ひとつ。 だから、そういうのが必要のない無重力状態の表現だと、凄く違和感ないんですけどね。

ところで、出てくる各キャラクターの中でも、描画が上手いのとそうでないのが何故か居て、それがどうも「美しくない順」にリアルな気がしてならないんですが・・・(^_^;)
ハゲでヒゲの爺さんであるシド博士が、何でか一人だけ飛びぬけて、すべての動作が異常にリアルなんです。 CGの中に一人だけ実写が混ざっているかと見まごうほどに(笑)
で、次にリアルだったのがヒゲで黒人のオッサンの評議員、次はこれまた黒人のオッサンの軍曹、そして髭剃り跡の目立つ主人公の彼氏、という順でして。(別に黒人だから美しくないという事ではありません。オッサンだからです(笑))
だから、一番登場する回数の多い主人公の女性が、やっぱり一番CGくさいっていうか、アップだとちょっとキモくってねぇ。 う〜ん、不思議だなぁ?(^_^;)
肌とかの表現だけなら確かに、毛穴開いてたりシミがあったりヒゲがあったりする"美しくない人"のほうが特徴つけやすいから、リアルに描けるのは解るんですけどね。 動作まで個体差があるってのが謎だ。

あと気になったのは、髪の毛とかまつげとかの「毛」の描き方かな。
これはどうすればもっとリアルになるのかなぁ? 多分、「線」としては目に映らないほどの、それでもそこに存在していて、光を反射なり吸収なりしている、その微細な部分をどう捉えるか、だろうな。
例えば人間の写真をフォトショとかで切抜きした時に、きちんと境界として目に見える頭の形、そのまんまに抜いちゃうと、おかしいくなっちゃうでしょ。 その周りに更に、見えないんだけど確かに毛があって、その全てを含んだ印象で、見た目の頭の形って認識されてるんですよね。 そういう部分をCGで表現できれば・・つってもそんな髪の毛が風に靡いたら、そんな目に見えない1本1本まで動かさなきゃならなくなるから、とてつもない事になりそうだけど(^_^;)

まぁ今はまだフルCGなんてお金がかかりすぎてタイヘンみたいですが、こういう技術がもっと汎用的になっていって、開発に携わる人が増えてくれれば、そういった課題点をクリアする人も出てくるでしょうし、もっとビックリするような作品が見られるでしょうね。
生身の女優や俳優が必要なくなる世界が来る?という心配もあるようですが、やっぱ生身じゃなきゃ人としての味わいがね、ということになるか、みんなが慣れてCGが主流になっていくか、それはまぁ時代の流れですからわかりませんが、今みたいな、巨額な予算や技術や人手がなければ映画が作れない、ってんじゃなく、どんな人でもがCGという手段を使って、その創造する世界を具現させられるようになるんなら、それは良い事なんじゃないかと思います。

と・こ・ろ・で! コレはもしかしたらスペシャルボーナスだったのかもしれないんですが、主題歌(つってもオマケのオマケみたいなの)歌ってるラルクのね、PVがクレジット後に流れてね〜。 なんとこれ、ラルクの動きをキャプったヤツで映画の中のキャラクターが動いてるわけ! ゴツいSFな装備着込んだ連中が、ラルクの動きで歌ってて〜! そうか、あのCMってそういうことだったのか〜。 も、スゲーカッチョいいし、なんかラルクずるい!!(笑) いいなぁ、あれ、いいなぁ〜(´┐`) モーションキャプられるのって憧れるかも〜(笑)
つか、クレジットで帰っちまった連中は見れなくって残念さまー、です☆ 結構いたのでウザかったです。 クレジットで帰るやつは最初から来なくて良い、くらいの気持ちです(笑) 
最近、マニアックな映画ばっか見てたので、そういうトコでは当然帰っちゃう人なんて居ないから、久しく忘れてたわ、普通の人ってこういうんだって事(笑)
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