■デビルマン
この映画については、かつてない勢いでチマタで批評が爆発していますんで、全体の構成がどうのとか、役者がどうのとか、原作の捉え方がどうのとか、そういう所はもう私がわざわざ言及する必要はないでしょうw

まぁ総括しちゃうと、確かに映画としては非常にアレゲではありますが、前もって酷評を聞いていたので覚悟はできていたし、最近結構色んな物を広い心で見られるようになってしまった(年寄りな)私としては、「ま、そこそこアリじゃね?」くらいのレヴェルなんですね。
キャシャーンの時も言いましたが、正直、エンタメ的なコンテンツに大幅な期待を寄せないようになってしまったってのはあります。 子供の作品に真っ向から噛み付く大人はいないでしょ、くらいな。
逆に言えば、金を払って人に見せるっていう事柄をナメちゃってる私、とも言えるんですけどね(^_^;) 駄目なものに駄目と言ってあげない事でムダに甘やかしてるとか、何かに熱中してそれが裏切られた時に真剣に怒るような熱さをなくしてるとか、そういう風にも言えちゃうなあ(後ろ向き

あとはやっぱり、最近原作を読んだモノなんで、昔からのファンの方々みたいな熱い思い入れがないのも要因のひとつですね。
もし自分が子供の頃にこの原作を読んでたら、この勧善懲悪真っ向から否定っぷりとか、容赦ない人死にのエゲツなさとか、そういう部分がガッツリ心にトラウマになって、もっと思い入れられてただろうな、とは思います。 (ちなみに、そのテで私の中にガッツリ来てる作品には、高橋葉介の「クレイジー・ピエロ」とか、柴田昌弘の「枯葉の街」があります)

それと、思ったのが、あの「人類が滅ぶとかデカい事言ってる割に、事件が起こってるのが学校やら近所のショッピングモールやらのみで、えらい地域狭い」ってとことか、「主人公は何も知らなくてもすぐ事件の起きてる場所に到達できちゃう」ってとことか、「設定は沢山あって描写する時間がないもんだから、説明台詞でガンガン済ませちゃって、しかもその説明がかなり子供騙しな稚拙な論理なんだけど、それでも登場人物は納得して話が進んじゃってる」ってとことか、「荒れた街の描写があまりにもいかにも廃品散らばして人間に血糊つけて寝かせてるだけで、荒廃感とかなさすぎ」なんてとこが、かなぁり日曜日の特撮番組くさいんですよ。
ぶっちゃけねー、最近の男子は、今の仮面ライダーは良くできてて面白い!って言ってるけど、私の目からみるとあれらの番組もこのデビルマン映画とあまり違いはなく(^_^;) 「今日もまたそこの橋の下で戦うですか?」とか、「えー、なんでそんなトンデモ説明でお前ら納得しちゃってるん??」とか、「つーかキャラ作り浅薄すぎで感情移入できまっせん」とかって部分は色々あり、その辺は「まぁ結局子供向け番組だし」と思って済ませてるんですが、この映画も正直そんな感じなのよね。 なのに何故、ライダーは絶賛してデビルマンはボロクソなの?ってのは純粋に疑問。
まぁその辺が、原作に対する思い入れの有無と、映画というコンテンツのボリュームに対する期待感(テレビ番組ならそんなに手を掛けられないからあの程度もでもいいけど、映画でそれはダメだろう)って所なんでしょうけどね。

とにかくそんな訳で、ぬる〜〜い目で点数をつけて、20点くらいはありますよ。
まぁその点数の大部分は、寺田デザインのクリーチャーがグリグリ動くのを見れて大満足、ってので占められるんですけどねw
(確かに世間で言われてる通り、PS2のゲームみたいなCGでしかないですが、そういうモンだと思って見れば別に憤慨はしませんよ? どーも私って日本製CGに甘いなあ。キャシャーンとかFFとか(^_^;))

全体的にはそんな所ですが、細かい点まで言及しませんと言ってみても、どーーーーしても「はぁ?(-_~-)」な部分もいくつかあるにはあって…
例えば、悪魔特捜隊(だっけ?)が「デーモンの巣」と目した屋敷を襲撃してる時に(あの屋敷の設定自体も相当バカだけどね)、「人間を滅ぼしちゃる」って言ってる飛鳥に、テッポウを渡しちゃう明がイミフメイ、、、だよねえ?あのシーンって?? 渡したように見えたんだけど、違うのかなあ? それとも、もうあの時点で明の心の中にも人間に対する不信が芽生えてたとか言いたいのかなあ? すげーあの行動が謎でした。 役者の演技力不足もあいまってw
あと、最近見かけないナー、と思ってたら、警官の格好でパスパス人間狙撃してる了もワケワカメだし。
それ以前にシレーヌ結局あれどうしたのよ?(富永愛ちょうウェストのクビレがねぇ)とか、明が義父にデーモンだってばれた時の「あ〜…」の声はなんぼ演技が下手でもアレはなかろうとか、久作様チョイ役過ぎてヲレ激昂とか、つーか鳥肌閣下出てるなんて聞いてなかったよ?!とか、的場浩司がどこ出てたか分らんかったwとかetc.
うーん、やっぱり色々出てきちゃうなw 何せ、全編これツッコミどころ映画だからねえ。 どんなに温かい目で見ても思わず突っ込まざるを得ない。 ボケ役としては天下一品なんですが(違うし

逆に、好きなシーンもいくつかはありますよぅ。
了の植木バサミシーンは原作のショットガン(?)ぶっ放しよりさらにキ○ガイっぷりが現れてて超好みだし、っていうかあのヤンキー了自体がなかなか好きw
明と美樹がヤッちゃうのもね、現代としては自然な流れっていうか、ヤッてもいない女の死でブチ切れられても、ってのもあるしね。
それとか、ボブサップの「面白いです。人間が死んでいるのです。私たちがやってるのではないのに! わはははは、さようなら、みなさん!!」あたりは結構好きw よくない?ああいうシュールなナンセンス的絶望感。

牧村家惨殺シーンは、原作みたいに「父母知らん間に死んでた」じゃなくて、家族みんなリンチにあう設定になってたから、何も罪のない善良な人が寄ってたかって嬲り殺されるってのは、さすがに(私でも)少々キましたわ。 この設定変更だけは映画版の方がイケてるんじゃないかなあ。
まぁその分、父母を助けに行ってる間に美樹死亡、っていう流れにならないもんだから、おめおめ捕まってテクテク歩いて帰ってくる明、っていう馬鹿シーンになっちゃったのはイタタだけど(^_^;)
つーかあそこ、歩きじゃなくてせめて飛んで帰ってくれば、生首祭りできたろうになあ。 歩いてきたもんだから夜が明けちゃってもう誰もいないんだもの。お馬鹿だ。

あとラストはさー、了も死んじゃいそうで「二人でそっち(死後の世界)行こうな〜(にっこり)」よりも、「あーあ、明の事好きなのに死んじゃった。ちぇっ。でもしょうがないよな。俺は(一人で)こっちの世界支配するしかないか」って立ち去る方が、救いようがなくて好きナノダガ。

相変わらず、救いのない話が好きです。
まぁ色んな意味で救いようのない映画ではあるのですが(爆)
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