結論から先言っちゃいますけど、映画版キャシャーン、これ、アリかナシかで言えばアリだと思いますよ?
興行成績が悪いとか叩かれてるのって何でなんですかねぇ? まぁアピールする層が(原作好きのヲタファンとイケメン目当てのパンピーさんと)中途半端だってのは言えるのかも知れませんが。(つかどっちの層にもアピールしきれないって言うか)
CGの使い方ねー。これ、時代の流れとして、そして日本としては、こういう手法ってのも良いんじゃないですか? これまでみたいな"実写のツギハギ部分の
補完としてのCG"とか、"アニメをより低コスト・ハイクォリティにするための踏み台(ベース)"ではない、CGをCGとして、"何かの模倣"じゃない使
い方をするってぇ意味では、成功してるんだと思います。
監督(なりデザイナーや美術監督なり)の頭の中にある"世界"をカタチにする為に、セット作るのに予算や時間が足りないからって妥協するより、こうやって
全部CGに頼っちゃって完璧に再現した方が、クォリティとしては上でしょ。 この映画みたいに、外の風景だけじゃなく、会議室から個人宅の内装まで全部
CGにして、実写セットのたどたどしい部分なくザクザク面白い動きしちゃうのって、私は潔くて好きだなー。
要するにこれは、「漫画の映像化」としての、セルアニメーションとは別の新しい方向性という捉え方で良いんだと思うんですよ。 戦闘シーンなんてまんま漫
画でしょw(樋口さんだしね) カット(コマ)割りやらノイズ(書き文字や効果線)やら、そのまま紙媒体でのシーンが想像できるの。 セルアニメーション
(およびそこから派生した現在のCGアニメーション)で表現しきれない部分って、一番は役者の"人間としての厚み"だと思うんですが、そこをこういう実写
とCGの融合で上手い事創り上げたんだと。
あと、この映画は基本的に舞台美術が素晴らしいですね。(なんたって「爆裂都市」に「traveling」だし)。 特に温室のシーンは素敵。 出演して
る女性も皆美しいし(特にルナ。ああっ、この子が「ALIVE」に出てれば… いや、「VERSUS」のヒロインがこの子だったらどんなにかッ!?
(T^T))、その辺りから見ても、美的センスに非常に優れた人が関わっていますね、ってカンジ。 エンディングの宇多田の曲も、雰囲気も歌詞も凄く合っ
てるし、全体音楽も鷺巣さんだしね。 まぁ鷺巣さんならばもう一息注文をつけたい部分は無きにしも非ずですが("月光"2回使用はどうかな、とか。 1回
目の方、"月光"と"月の光"が続くのってちょっとしつこいかも。)
さて、そういう見た目の話だけじゃなく、ストーリーとしてどうかと言えば、もとの原作知らないものからすれば、この骨子というか方向性というかアイディア
は悪くないと思います。 親子関係とか策謀云々とかの辺りで、日本映画にありがちなベタに陥りそうなところを、かろうじてスレスレで見せ方で凌いでますし
ね。(要君が実は医者の息子だった、とかテツオが殺したのが唐沢の嫁ってのをクライマックスの再挿入で知らしめるところとか)。
ただ、悪くはないんですがやっぱり映画の2時間に収めるには、出てくる人物・勢力が多すぎるし説明は足りてない。 ていうかこの足りなさがホント連載漫画
や小説を映画化した時の無理やりさと似てるんで、むしろこの内容でコミックス5冊分くらいの長期連載で読みたいかもね。 敵方の連中がどうしてああ人間を
憎むに至ったかとか、古代の遺跡(?)に辿りついてからの経過とかはもっとじっくり描けるでしょ。 テツオの戦場での第七管区との関わり&キャシャーンに
なってそこに戻ったときの心情変化とか、人体実験に供される人達の描写とかね。 そこらが説明しきれてない内に、敵方(アンドロ軍団なんですか??)と政
府軍とテロリストと全部出てきちゃうから、「で、キャシャーンの敵はどれなんでしょ??」みたいな不透明な部分が、クライマックスのカタルシスを中途半端
にしてしまってるのね。 とか、新総帥が唐沢にだーっと謎解き説明しちゃう辺りもチグハグでもったいないし。 つーか、テツオとルナがうだうだ惚れたの腫
れたの言ってるシーンが長いっつのw そういうところばっかり冗長で、サブキャラの背景とかを1コマ2コマの映像で済ませちゃうあたりが、とても漫画
(or小説)の映画化チックなんですよね。
まぁ個人的には、ミッチーの犬死が見れただけでも結構満足〜(*´ー`*) やっぱミッチーは、高飛車に現れてキチガイッぷり発揮した後に狂乱して犬死!
コレでしょ!(≧_≦)9 惜しむらくは死因が地味ってとこか。 真っ二つとかが良かったな(*´Д`) てか、あの新総帥の、「大臣を日本刀で一刀両
断、返り血ビシャーっ!」はミッチーにやって欲しかったッ! やっぱ肌の白い美形には血糊!血糊ですよ!!!(駄目
あ、あと、ナマ犬フレンダーねw かわぅい♪
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