■バトルロワイヤル
いやー、いいじゃん? イケてるんじゃん?
(エヴァの映画と同じで)人それぞれ好き嫌いはかなり分かれるかもしれないけど、アタシは全然オッケーだ!
もー、泣いた泣いた(T-T) 最初っから泣きっぱなしって感じ。

まぁもちろん、前評判通り尺は全然足りてないから、ストーリー掘り下げは原作の50%くらいで、「ああ、ここはもっとこう!!」って歯がゆい部分が多いのは否めませんが、むしろあのままの方向性でディレクターズカットとかゆって、切っちゃったシーンも入れて3時間くらいのをビデオで出してくれてもいいカンジかと。

冒頭の桐山の「レッツビギ〜ンザキリ〜ングタ〜イム」(違うだろ)とか、三村の校舎爆破の攻防とか、相馬の過去云々の描写とか、もっともっと見たいものは一杯あり〜。
個人的には特に、一番やるせなくて好きな矢作・倉元カップルのエピソードがなかったのが悲しいなー。 あとは委員長が三つ編みメガネじゃない事とか(ぉ
でもでも、展望台の蜂の巣シーンとか、灯台での狂乱とか、相馬に会った矢作のブチ切れ方とか、どれもこれもすごく体当たりで力入ってて、この異常なシチュの緊迫感が最高に表現されていたっす。

いやほんと、現場の話とか聞くと皆一様に「監督、70歳のクセに一番元気!」って言われるだけあって、すげーパワー。すげースピード。 所々に「老人臭い」演出があるのは感じるけど、それ以上に、圧倒的な「若いパワー」を深作監督が、凄い勢いで引き出したって部分が大半で、全然「年寄り」監督が撮ったとは思えない。 すごい。

それと、なんと言っても藤原君が良いね!
私も、彼を好きではありながらも「所詮顔で売ってるアイドル」くらいにしか思ってなかったんだけど、さすがに蜷川の舞台で好評を得たというだけはある。 彼の真に迫った芝居でかなり泣かされた。
他の子達も、「藤原、前田、たけしを使う時点でかなりのギャラがかかるだろうから、他は十把一絡げの大根だろう」くらいはナメていたものの、なかなかどうして、みんな気合入ってるわー。 「今は無名だけど、この映画を糧にしなきゃ!」みたいな若い気迫が感じられるね。
何よりアタリは千草役の栗山千明か。 殺意を持った美少女ってええのう(*´∀`) 安藤はあれじゃなんだかただ何も考えてない人だから、もっと桐山的な、なんていうか無言の中の美学っていうか、生き様の空虚で崇高な艶っぽさみたいな、そんなのがあったらよかったのになあ。 ていうかオールバックにしろっ!ヽ(`□´)ノ

とにかくそんなところでありまして、まぁ原作を好きになれた人なら見て損はないだろう、と。 ただ、アタシは必要以上に感情移入するタイプなんで、多少演出や芝居的にしょぼいところでも、「アタシならこんな時どう思うか」とかすぐ考えちゃって"気が入って"しまうんで、そういう見方がもし出来なかった時に「えー?これ、おもしろいかぁ?」とか思われても、責任は取れませんのでご了承ください(笑)

ただ、どこぞの国会議員のように、アレを見ても「ただの残酷な殺し合い」としか感じられないようだったら。。それは心が病的なまでに鈍化してる、ということだな。 それ以上の、いや、「殺し合い」だからこその、強烈な「生」へのメッセージが全編に充満してる。 それを感じ取れなきゃ、あの映画を見る意味はないし、あの映画を批判する権利もない。 と思うよ。
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